こんにちは。Ryosuke(@ryosuke_mizuta)です。
とっても興味深い記事があったので、ご紹介させて頂きたいと思います。
◼︎ Doctors said the coma patients would never wake. AI said they would – and they did
AIが、医師に誤診断された昏睡状態の患者を救ったという記事です。
あらすじはこちらです。
目次
あらすじ
北京の総合病院で、医者に”意識が回復する希望はない”と診断された、少なくとも7人の昏睡状態だった患者が、AIシステムよって”この患者は1年以内に意識が回復する”と再診断され、実際に回復しました。
1人目のケース
この病院には、左のこめかみに酷い損傷を負い、6ヶ月間植物状態だった19歳の患者がいました。
この患者は中国屈指の神経外科医による4度に渡る診断により、彼が昏睡状態から回復する確率は7点/23点とされました。
※ この病例では、昏睡から回復できる度合いを示す23点満点の尺度を使っています。
そしてこの患者の家族には、診断結果から法的にこの患者の延命治療を中止できる権利が与えられました。
しかし、この患者の脳スキャンのデータをAIシステムで診断したところ、回復できる確率が20点/23点という高得点を出したのです。
彼は実際に、1年も経たずに回復しました。
彼を含む7名の”回復する見込みは無い”と医者に診断された患者が回復したのです。
しかし、AIシステムが間違いを起こしたこともあります。
脳卒中により脳幹の両側にダメージを負った38歳の患者は、医者とAIシステムの両方に”助かる見込みは非常に低い”と診断されました。
しかし彼は、1年も経たずに完治しました。
診断に使用されたAIシステムとは
今回使用されたAIシステムは、中国科学院(中国におけるハイテク総合研究と自然科学の最高研究機関であり、国務院の直属事業単位)とPLA General Hospitalという北京にある総合病院が、共同で8年間にわたり開発してきました。
研究者によるとこのAIシステムの予後診断精度は、90%ほどになるとのことです。
中国科学院の研究者、Dr Song Mingはこのように述べています。
“私たちのAIシステムは、人間の目には見えないものが見えます。”
“AIシステムは、機械学習アルゴリズムを用いて、患者の脳スキャンデータにある多数の極めて複雑な神経の動きを、以前の診断データと比較し、些細な変化や、正体不明のパターンを発見することができます。”
“これは、人間の医者にはできません。”
“例えば、AIシステムは、脳の中で触覚、言語能力、視覚、聴覚などのそれぞれの機能を司る場所を特定することができます。”
“これにより、意識はあるが、外界とのコニュニケーションが一時的にブロックされた患者の状態等が判断できるのです。”
これらの評価は、過去の慣例に沿ったやり方だと誤判断が多かったとのことです。
AIは、医者に取って代わることはない。あくまで医者のサポート
今回の記事で、今回のAIシステムが使われている総合病院の医者は、このようにコメントしています。
“AIは、決して医者に取って代わることはありません。あくまで医者と患者の家族がより良い決断を下すためのツールなのです。”
この医者は次のようにも述べています。
“このAIシステムは2010年の導入以後、改良されてきました。”
“現在では、病院の日々のオペレーションの中に組み込まれており、1日に300人以上を診断しています。”
“そしてこの病院には、中国全土から多くの昏睡状態の家族、子供、恋人を持つ人が、希望を求めてやってきます。”
“彼らは絶望的なのです。”
“その状態で、AIのシステムが予想を超えた高い得点を出すと、彼らは歓喜します。”
しかし、実際にはそのようなケースは稀のようです。
基本的には、AIの診断スコアと医者の診断スコアは、ほぼ一致するようです。
参考ソース
South China Morning Post
◼︎ Doctors said the coma patients would never wake. AI said they would – and they did
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まとめ
今回はまさに「シンギュラリティ」を感じさせる記事でした。
※ シンギュラリティ = 人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念
記事の内容の非常に興味深く、面白いです。
中国の技術進歩の速さは凄まじいな、と感心しました…
近い将来には、最先端の治療を受けるためにアメリカや日本ではなく、北京や上海に行くのが当たり前の選択肢になりそうです。
中国が圧倒的な人口、知能をフル活用し技術革新を推し進めているのは間違いありません。
今後も、中国の技術に関するニュースは要チェックしようと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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